専門情報検索 お試し版

菌血症

【読み】
きんけつしょう
【英語】
bacteremia
【書籍】
歯科衛生士 2013年3月号
【ページ】
16

キーワード解説

菌血症とは、本来無菌である末梢血中に細菌が存在する状態のことである。膿瘍や創傷による感染、外科的治療、細菌の定着した静脈内カテーテルなどが原因となる。歯科における観血治療においても菌血症は高頻度で起こっており、近年ではブラッシング、プロービング、スケーリング、SRP、PMTC等でもその発生が確認されている。健康な人であれば血液中に入り込んだ細菌は肝臓で処理されるため、通常問題にはならないが、感染性心内膜炎を起こす可能性がある患者、人工関節置換術の既往患者、歯周病関連の全身疾患をもつ患者においては重篤な影響が起こりうる。したがって、観血的歯科治療に際しては抗菌薬の予防投与や殺菌剤による洗口・ポケット内洗浄を検討する必要がある。ただし、抗菌薬の予防投与については、医科担当医に照会したうえで担当歯科医師が決定すべきである。