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歯槽堤形成術

【読み】
しそうていけいせいじゅつ
【英語】
alveolar ridge augmentation
【書籍】
イラストでみる口腔外科手術 第3巻
【ページ】
38

キーワード解説

歯槽骨が著しく吸収すると口腔前庭が浅くなり、顎骨に付着する筋肉の付着部が歯槽頂に近くなってくるので、義歯の維持が困難となる。このような症例に対して義歯の安定と吸着を得るために行われるのが歯槽堤形成術である。これには顎骨への筋肉の付着部を歯槽頂から遠ざけて相対的に歯槽堤を高くする相対的歯槽堤形成術(口腔前庭形成術や口底深形成術など)と、骨・軟骨のonlay graftやvisor osteotomyなどの骨切り術によって積極的に歯槽の増高を図る絶対的歯槽堤形成術がある。しかし歯槽堤形成のため移植された骨は早期に吸収され、またvisor osteotomyは下歯槽神経麻痺の危険がある。デンタルインプラントが普及した今日においては、歯槽堤形成術を行うかインプラント治療を行うかの選択がある。相対的歯槽堤形成術には、口腔前庭を拡張する口腔前庭形成術、口底を拡張する口底深形成術、さらに両者を同時に行う術式がある。