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舌接触補助床(PAP)

【読み】
ぜつせっしょくほじょしょう
【英語】
palatal augmentation prosthesis
【書籍】
開業医のための 摂食・嚥下機能改善と装置の作り方 超入門
【ページ】
46,52,69,76

キーワード解説

舌接触補助床(PAP)とは、舌の運動障害あるいはボリューム不足の患者において、口蓋部の床を肥厚させた上顎に適用される床タイプの補助装置で、発音および咀嚼・嚥下機能に必要な舌の口蓋への接触を容易にすることを目的としている。欠損歯の有無により、有床義歯型のPAP、口蓋床型のPAPに分けられる。2010年4月の診療報酬改定時に保険収載された。嚥下障害の場合PAPを装着することで、嚥下の5期のうち、主に食塊を口腔内で操作して食塊形成する「準備期」と、食塊を口腔から咽頭に送り込む「口腔期」の改善が期待できる。構音障害の場合は、PAP上で構音部位の厚みを増すことで改善を図る。PAPは代償的に機能回復・賦活化を図るものであり、装置装着後も根本的な舌運動の改善として嚥下訓練を併用する必要がある。