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口臭

【読み】
こうしゅう
【英語】
halitosis
【書籍】
歯科衛生士 2013年6月号
【ページ】
36

キーワード解説

口臭とは、口内や呼気に含まれる悪臭のことである。国際口臭研究学会による分類では、口腔清掃不良のために蓄積した絶対やプラークに由来する「生理的口臭」、歯周病、重度のう蝕、唾液腺の機能低下などに由来する「病的口臭(歯周病等由来)」、肝臓疾患などに由来する「病的口臭(全身由来)」(ここまでの3種の口臭をまとめて「真性口臭症」という)、自分に口臭があると感じてしまう精神的な「仮性口臭症」、他人のしぐさで自分に口臭があると思い込むなど、治療しても訴えの改善が期待できない「口臭恐怖症」に分類している。
口臭と歯周病の関係は強く、強力な歯周病原因菌であるPorphyromonas gingivalis(P.g菌)は、ヘミン鉄やタンパク質などの栄養素を分解する際に臭気物質であるメチルメルカプタンを発生する。生理的口臭は硫化水素、全身疾患由来の病的口臭は硫化ジメチルという臭気物質を発生するため臭いが異なる。こうした口臭の嗅ぎわけで、その口臭が歯周病由来かどうかを探ることができる。またメチルメルカプタンの毒性は歯周組織の破壊にも影響するため、歯周基本治療では歯周病と口臭の双方の治療を図ることが望ましい。