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アンブレラエフェクト

【読み】
あんぶれらえふぇくと
【英語】
umbrella effect
【書籍】
ザ・クインテッセンス 2013年9月号
【ページ】
49

キーワード解説

アンブレラエフェクトとは、患者が笑ってその口唇が挙上された際などに、口唇が口腔内に入り込む光を遮り、歯肉辺縁部の暗さを助長する現象。ちょうど口唇が傘(umbrella)の役割を担い、歯頸部周辺を暗くすることから命名された。世界的に著名な歯科医師であるPascal Magneら(1999年)は、この効果は歯冠修復物に使用される金属の色と支台歯のマージンの位置に関与するとしている。そして、メタルセラミック修復物ならば、マージンポーセレンを付与し、さらにマージンの位置を考慮すべきとしている。アンブレラエフェクトを呈する状態は、患者の日常生活において審美上の深刻な悩みとなる場合がある。しかし、われわれ歯科医師の日常臨床は、デンタルチェアの照明をつけた状態や、口角鉤で口唇を排除し、ストロボ光下で撮影した写真などからしか歯を観察しないことが多いため、その現象を見逃しがちであり、注意が必要である。