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歯肉上皮

【読み】
しにくじょうひ
【英語】
gingival epithelium
【書籍】
歯科衛生士 2013年11月号
【ページ】
19

キーワード解説

歯肉上皮とは歯肉を構成する要素のうち結合組織の外側を覆う部分である。歯肉の外側に面している口腔上皮、歯肉溝の側面を形成している歯肉溝上皮、エナメル質と付着している付着上皮(接合上皮)の3つから成る。
 歯肉上皮にはさまざまな防御機構が備わっており、主に以下の5点が挙げられる。1)上皮細胞内でつくられたケラチンが角質層を形成することで、外部からの機械的刺激(力)を分散させて組織を守る、2)顆粒層でセラミドが細胞同士のすきまを埋めることで、外部からの細菌の侵入や内部からの組織液の流出を防ぐ、3)上皮内の毛細血管からしみ出た歯肉溝滲出液が歯肉溝から外に出ることで、細菌を外に洗い流す、4)付着上皮を囲む内側基底板・外側基底板の成分であるラミニンとインテグリンが付着上皮とエナメル質・結合組織を接着させることで、細菌の侵入を防ぐ、5)上皮内で行われる細胞交代(ターンオーバー)によって歯肉の健康を守る。