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人工呼吸器関連肺炎(VAP)

【読み】
じんこうこきゅうきかんれんはいえん
【英語】
ventilator-associated pneumonia
【書籍】
周術期口腔機能管理の基本がわかる本
【ページ】
50,52

キーワード解説

人工呼吸器関連肺炎(以下VAP)とは、人工呼吸管理患者において気管内挿管48時間以降に発症する院内感染肺炎と定義され、集中治療室(ICU)におけるもっとも頻度の高い重症合併症である。通常挿管後48~96時間以内に発症するearly-onset VAPと、それ以降に発症するlate-onset VAPに分けられる。VAPの最大の原因は、口腔咽頭の病原性微生物を含んだ唾液や分泌物の誤嚥で、宿主側の要因として抵抗力の低下などが重なって発症すると考えられている。その他の原因として、人工呼吸器回路の汚染、胃の内容物や胃液の逆流なども考えられている。現状VAP予防としての口腔ケアの方法は確立していないが、人工呼吸器装着患者に対する口腔ケアの方法の標準化と、VAP予防に関するエビデンスの確立が望まれている。