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歯原性菌血症

【読み】
しげんせいきんけつしょう
【英語】
odontogenic bacteremia
【書籍】
ザ・クインテッセンス 2014年3月号
【ページ】
87

キーワード解説

菌血症とは、傷口から細菌が血中に入り込み、全身の血管を巡るものをいう。歯科と関連したものを歯原性菌血症と呼ぶが、たとえば、う蝕や歯周病もその状態を放置していると歯を磨くだけで歯原性菌血症が起きる。歯原性菌血症にはスケーリングや抜歯などの医療行為で発症する医原性菌血症と、歯磨きなどの生活習慣の不良によって発症する日常性菌血症の2つある。菌血症の累積頻度を考慮すると、医原性菌血症よりも日常性菌血症のほうが圧倒的に高い。歯原性菌血症は、プラーク指数、歯肉炎指数に比例して増加する。したがって、歯原性菌血症を予防するためには、プラーク指数と歯肉炎指数を低下させること、すなわち日常的な歯磨きと専門家による定期的な歯のクリーニングが必要である。また、咀嚼によっても口腔内細菌が血中に侵入する。その程度は歯周病の重症度と関係しており、歯原性菌血症の予防は、地道な口腔衛生活動と歯周病の治療が大切といえる。