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重篤な歯性感染症

【読み】
じゅうとくなしせいかんせんしょう
【英語】
severe odontogenic infection
【書籍】
一般臨床家、口腔外科医のための口腔外科ハンドマニュアル'14
【ページ】
166

キーワード解説

歯周炎(辺縁性歯周炎、根尖性歯周炎)や歯冠周囲炎は歯性感染症であり、日常の歯科・口腔外科臨床で多く経験する疾患である。ほとんどの場合は、抗菌薬の投与、原因歯性病変の処置(歯周治療、根管治療、咬合改善、抜歯など)により治癒する。しかしながら、不適切な処置、不適切な抗菌薬の使用、薬剤耐性菌による感染、糖尿病や副腎皮質ステロイド剤、免疫抑制剤、抗がん剤などの投与による免疫抑制状態の患者においては、歯性感染症が組織隙を通じて周囲組織に波及し、重篤な全身感染症に移行することがある。このような重篤な歯性感染症の場合は、適切な診断・治療を行わないと死に至る場合もあり、関連各科(胸部外科、循環器外科、耳鼻咽喉科、眼科、脳神経外科、救命救急科、麻酔科など)と密な連携をとりながら、診断・治療にあたる必要がある。