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線維素性唾液管炎

【読み】
せんいそせいだえきかんえん
【英語】
sialodochitis fibrinosa / fibrinous sialodochitis
【書籍】
薬’15/’16
【ページ】
62

キーワード解説

線維素性唾液管炎は、原因不明の唾液腺腫脹を来す疾患で、1879年にKussmaulにより初めて報告され、別名クスマウル病とも呼ばれる。(1)唾液腺の発作性反復性腫脹、(2)主導管よりの好酸球を含む塊状物排出、(3)血中好酸球およびIgEの増加、(4)他のアレルギー疾患の合併、(5)唾液腺造影による主導管の異常を特徴とする。腫脹時には痛みを訴えることは少なく、唾液腺管に沿って掻痒感を訴えることもある。小児から成人まで発症するが、発症の平均年齢は40歳代との報告がある。男女比では男:女=1:2と女性に多い。顎下腺、耳下腺が単独で腫脹をきたす場合や、すべての大唾液腺が腫脹することもあるが、小唾液腺が腫脹することは極めて稀である。鼻アレルギー、気管支喘息、花粉症などの全身性アレルギーを合併する症例が多い。治療法は薬物療法が主で、外科的切除も行われることがある。