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妊娠性歯肉炎

【読み】
にんしんせいしにくえん
【英語】
pregnancy-associated gingivitis
【書籍】
ザ・クインテッセンス 2016年 11月号
【ページ】
122

キーワード解説

妊娠期間中に女性ホルモンは通常の10~30倍程度の濃度に到達する。血漿ホルモンレベルが9か月の妊娠期間中に継続して上昇することで妊娠性歯肉炎を引き起こす。エストロゲンとプロゲステロン(黄体ホルモン)が歯肉組織に集積することを好むようである。妊娠そのものは歯肉炎を引き起こさず、プラーク性歯肉炎を助長するだけである。細菌がいなければ妊娠性歯肉炎は通常起こらない。妊娠性歯肉炎は通常妊娠2~3か月目(1st trimester)に目立ちはじめ、8か月目(3rd trimesterの途中)でもっとも重篤な状態に達する。そして9か月目(3rd trimesterの終盤)になるとホルモンの減少とともに少しずつ炎症も軽減する。出産後1年までに歯肉組織は妊娠前の状態に戻ることが一般的である。