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妊娠高血圧症候群 

【読み】
にんしんこうけつあつしょうこうぐん
【英語】
pregnancy-induced hypertension
【書籍】
女性患者さんを診る
【ページ】
78

キーワード解説

 妊娠高血圧症候群とは、妊娠20週以降から分娩後12週までの期間に、高血圧がみられる場合(妊娠高血圧症)、または高血圧に尿タンパクをともなう場合(妊娠高血圧腎症)のいずれかで、これらの症状が単なる妊娠の偶発合併症ではないものと定義される。妊娠高血圧症候群の原因は不明であるが、その病態としては、血管の攣縮、血管内皮障害など、末梢血管の機能障害が関与すると考えられている。
 妊娠高血圧症候群を有する妊婦の歯科治療を行う場合には、産婦人科医へ全身状態の照会とともに毎回の診療開始前には、必ず妊婦の体調について確認を行う。可能であれば、術前・術中の血圧のチェックを行い、血圧を上げないように、また歯科診療に対する不安を軽減させ、痛みを与えずストレスの少ない治療を行う。対応が困難と思われる場合には、ただちに大学病院などへ紹介することも必要である。