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妊娠糖尿病

【読み】
にんしんとうにょうびょう
【英語】
gestational diabetes
【書籍】
女性患者さんを診る
【ページ】
79

キーワード解説

 妊娠すると、胎児を発育しやすくするために、身体の代謝・内分泌機構が顕著に変化する。とくに糖脂質代謝の変化によって、妊婦の2~3%が糖尿病を発症してしまうことがあり、このようなケースは妊娠糖尿病と呼ばれている。
 妊娠糖尿病の原因として、妊娠中には胎盤からインスリンを効きにくくして血糖値を上昇させる作用を有するホルモン(ヒト胎盤性ラクトーゲン、プロゲステロン、プロラクチンなど)が大量に分泌されるために、妊婦は糖尿病になりやすい体質、すなわちインスリン抵抗性が高くなることが挙げられる。
 妊娠中の糖尿病は妊婦そして胎児の両方に重大な悪影響を及ぼす危険性が高いため、歯科医療従事者としても問診や歯科治療の際に糖尿病の有無や家族歴について質問し、 産婦人科医と連携して全身状態について十分に留意しておく必要がある。