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金属過敏症

【読み】
きんぞくかびんしょう
【英語】
metal hypersensitivity
【書籍】
QDI 2017年1月号
【ページ】
56

キーワード解説

貴金属を除く多くの金属は単体では有毒で、大気中では不安定であり、酸化し、腐食する。金属過敏症は、最初の十分な濃度の金属と生体との接触、さらにはその後に長く続く曝露により免疫反応が引き出され、典型的なIV型過敏症反応を示す。アレルギーが発症するには、抗原性ハプテンとの複合体形成のために、金属イオンが天然のタンパクと結合する必要がある。これらの複合体は抗原提示細胞、あるいはTリンパ球に接することで産生される。感作は典型的には皮膚との接触で起こるが、理論的には金属インプラントからの材料の摂取や腐食を通しての全身的被曝でも起こる。金属アレルギーの誘発相は、軽度ではアレルギー性接触皮膚炎として現れ、中等度の症例では搔痒症、浮腫、紅斑をともなう皮膚炎、重症例では小疱疹、水疱形成をともなう皮膚炎を示す。