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咽頭期

【読み】
いんとうき
【英語】
pharyngeal phase
【書籍】
歯科衛生士 2017年3月号
【ページ】
31ページ

キーワード解説

 咽頭期は、「摂食嚥下の5期」である先行期、準備期、口腔期、咽頭期、食道期のなかの第4期で、準備期で形成した食塊を咽頭から食道へ移送する段階のことである。ここでは多くの器官が複雑にはたらき、反射的な嚥下運動が起こる。
 各器官のはたらきとしては、舌骨が前上方に移動するにともない、喉頭も前上方に引き上げられ、食道の入口が開く。その後、軟口蓋が後上方にやや挙上し、鼻咽腔を閉鎖しつつ後下方にも引っ張られ、食塊を食道へ送る絞り込みの一部を担う。さらに、喉頭蓋が倒れ喉頭を閉じ、喉頭前庭、声帯も閉じるという「三重の誤嚥防止機構」がはたらき、誤嚥を防止しながら嚥下運動が行われる。
 これらのはたらきがスムーズに行われないと、食塊が咽頭に残留したり、誤嚥をする恐れがある。