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咬合挙上

【読み】
こうごうきょじょう
【英語】
bite raising
【書籍】
咬合挙上をうまくなりたい
【ページ】
46

キーワード解説

 咬合高径が低下していると診断されたら,現症をどのように治療するか検討する.咬合高径は,可撤性の「咬合挙上スプリント」を患者へ装着し,患者の反応を見ながら挙上量をプラスアルファする方法で求める.
(1)想定される暫定咬合高径の設定:現状の咬合高径,下顎安静位,安静空隙量を参考とするが,「患者の顔貌計測値」・「最終補綴装置の設定スペース」の双方を重視する.
(2)咬合器への模型装着:上下顎の平行模型を半調節性咬合器に咬頭嵌合位で装着する.バイトはマッシュバイトを採取し,上顎はフェイスボウによりマウントする.
(3)咬合高径挙上量の設定:(1)により暫定的な咬合挙上量を咬合器上で設定する.この際,臨床的には「想定量」プラスアルファを当初付与する.たとえば最終的に5mm挙上したい場合,5mmに+2mmで7mm程度とする.ついで,経過をみて5mmへと削合・調整していく.この臨床技法は咬合高径についての生理学的考察によっても裏づけられている.