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リバスクラリゼーション

【読み】
りばすくらりぜーしょん
【英語】
revascularization
【書籍】
臨床で困らない歯内療法の基礎
【ページ】
196

キーワード解説

 従来、根未完成歯の治療には水酸化カルシウムを用いたアペキシフィケーションあるいはアペキソゲネーシスが行われてきた。アペキシフィケーションでは歯髄がなくなっているため、象牙芽細胞による象牙質形成は行われず、Hertwing(ヘルトヴィッヒ)の上皮鞘により根尖が閉鎖される。しかし、これらの方法は時間がかかるわりには効果が不確実であった。revascularization(リバスクラリゼーション)とは、歯根未完成歯に行われる新しい考え方による治療法であり、根管の厚みを増しつつ、根尖孔を閉鎖させる比較的簡便な方法として世界的に症例報告が相次いでいる。当初は、歯髄が失活して根尖病変ができた症例でも、歯髄が再生して歯根を完成させることが期待された。その後の研究により、歯周組織が根尖孔から根管内に侵入して起こる創傷治癒の一種と見なされている。歯髄や象牙質が新たにできるわけではなく、セメント質や骨が根管内に侵入して、あたかも歯の成長が継続したかのように見えている。リバスクラリゼーションの方法として、自然に組織が根管内に増殖してくるのを待つ方法と、根尖部あるいは根管内の組織を傷つけて出血させる方法が紹介されている。厳密な意味では血管が再生しているわけではないので、リバスクラリゼーションではなく、revitalization あるいはregenerative endodonticsなどと呼ばれることもある。