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非抜歯治療

【読み】
ひばっしちりょう
【英語】
non-extraction orthodontic treatment
【書籍】
矯正歯科のための重要16キーワード ベスト320論文
【ページ】
181

キーワード解説

 抜歯せずに行う矯正歯科治療のことで、主に歯列弓拡大(急速拡大と緩徐拡大)や臼歯遠心移動によって行う。その移動量の限界と安定性には諸説ある。急速拡大装置を用いた正中口蓋縫合の拡大量は、拡大ネジ使用時の20~50%である。上顎に急速拡大装置を装着した場合の下顎臼歯部幅径の拡大は有意差があるものの、緩徐拡大装置では自然成長との有意差が認められず、後戻り率が大きい。遠心移動は解剖学的構造による制限が存在する。従来法では側面セファログラムやパノラマエックス線写真で上下顎の後方限界を評価してきたが、近年はCBCT で症例に応じた遠心移動の限界量を診断できる。