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自閉スペクトラム症

【読み】
じへいすぺくとらむしょう
【英語】
autism spectrum disorder
【書籍】
歯科衛生士 2017年11月号
【ページ】
58

キーワード解説

 コミュニケーションのとりづらさや興味関心の限定、反復的なこだわり行動、感覚刺激への過敏性などがみられる障害。重症度は人によってさまざま。環境的な要因(両親の高年齢、低出生体重、バルプロ酸の胎児暴露など)と、遺伝・生理学的な要因(遺伝子の関連)が関係していると言われており、15%が既知の遺伝子変異と関連すると報告されている。発生頻度は人口の1%程度で、3~4:1で男性に多くみられる。自閉スペクトラム症には、特有の形態異常や歯列不正のような口腔所見はない。しかし、個人発達の段階や疾患上の特性から口腔衛生管理が困難となる場合、う蝕や歯周病を引き起こすことがある。とくに、甘味への固執や偏食、反芻などのこだわりがある場合は、それらのリスクが高くなる。また、疾患の特性に由来する口腔の悪習癖や自傷行為などがある場合、二次的に口腔内の症状を認めることがある。