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歯根膜付きインプラント

【読み】
しこんまくつきいんぷらんと
【英語】
biohybrid implant
【書籍】
Quintessence DENTAL Implantology 2018年No.1
【ページ】
64

キーワード解説

 現在、主流となっているオッセオインテグレーテッドインプラントは骨に直接結合することに対し、この歯根膜付きインプラントはセメント質を介してインプラント表層に歯根膜を結合させ、天然歯様の構造を持たせたインプラントである。
 歯根膜付きインプラントのメリットとしては、(1)天然歯と連結できる、(2)生理的な移動能がある、(3)咬合や痛みの感覚を中枢に伝達できる、(4)若年者に対してもインプラント治療を行える、(5)天然歯と同様に従来の方法で抜去できる、などが挙げられる。
 歯根膜付きインプラントには2つのモデルがあり、1つが抜去歯から歯根膜を採取・培養する方法、もう1つはう蝕や破折による抜去適応歯の歯根膜組織をそのまま利用する方法である。前者はin vitroの段階であるが、後者はイヌ実験モデルでの治療法開発まで進められており、その先の臨床研究や実用化が期待されている。