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暗黙知

【読み】
あんもくち
【英語】
tacit knowledge
【書籍】
QDT 2018年 3月号
【ページ】
134

キーワード解説

 暗黙知とは、ハンガリー出身の社会科学者Michael Polanyiが著書「暗黙知の次元(Tacit dimension)」で言及したことに始まる概念である(日本語版はちくま学術文庫,2003年)。その定義としてはおおむね、「言語で表象できる知識の対立概念としての、言語に表象できない知識や動作」ということであるが、ごく簡単にいえば、自転車に初めて乗れたときの感覚のような、言葉で他者に説明することが難しい知識のことを示す。暗黙知の概念の普及とその明示化に対する試みは、野中郁次郎(経営学者、一橋大学名誉教授)や森和夫(技術・技能教育研究所)などによってなされ、産業界の技術継承に活用されているが、歯科技能教育の中にみられる熟練者の「カン・コツ」にも暗黙知が多分に含まれていると考えられ、歯科技能教育に対して暗黙知の明示化を取り込む試みも一部では始まっている。