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コラゲナーゼ

【読み】
こらげなーぜ
【英語】
collagenase
【書籍】
nico 2018年 3月号
【ページ】
17

キーワード解説

 コラゲナーゼとはタンパク質分解酵素の一種。細菌由来のものと、動物由来のものがあり、古くから知られるのは細菌型コラゲナーゼである。
 細菌型コラゲナーゼは、コラーゲン分解能力がきわめて高く、コラーゲン分子内に存在するアミノ酸配列、Pro-X-Gly-Pro-YのGlyとProのあいだを切断する。傷口から感染すると組織の壊死を引き起こして重篤な症状をもたらすが、口腔内への影響として現在注目されているのが、口腔内細菌が産生するコラゲナーゼが引き起こす、象牙質に含まれるコラーゲンの分解である。
 象牙質の30~35%は有機物であり、そのほとんどがコラーゲンであるため、コラゲナーゼが口腔内に存在すると、象牙質表面のコラーゲンは分解されて失われてしまう。唾液にはコラーゲンを修復する能力はないため、コラーゲンはいったん失われると回復は困難であり、根面う蝕など、象牙質のう蝕の抑制をめぐっては、コラーゲン保護の重要性が指摘されている。