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精神鎮静法

【読み】
せいしんちんせいほう
【英語】
psychosedation
【書籍】
Quintessence DENTAL Implantology 2018年 No.3
【ページ】
120

キーワード解説

 患者の手術に対する不安や緊張といった精神的なストレスを、薬剤を使用して軽減する方法。これを行うことで精神的ストレスにともなう血管迷走神経反射や異常血圧上昇といった全身偶発症の発症を未然に防止し、安全な手術が可能となる。
 精神鎮静法には、低濃度の亜酸化窒素(笑気ガス)を吸入させる吸入鎮静法と、ミダゾラムなどの鎮静薬を静脈内投与する静脈内鎮静法がある。亜酸化窒素は吸入麻酔薬の1つであるが、麻酔作用が弱く呼吸や循環に対する影響が少ないことから、鎮静法に使用する場合には調節性がよく、安全性も高い。専用の吸入鎮静器が必要であるが、簡単で特別なテクニックは必要としない。一方、静脈内鎮静法では静脈路を確保するテクニックが必要で、投与量が多くなるにしたがって呼吸や循環への影響も大きくなる。そのため、モニタリングが必須であり、術者とは別に歯科麻酔学に関する研修を受けた歯科医師が行う必要がある。