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失語症

【読み】
しつごしょう
【英語】
aphasia
【書籍】
歯科衛生士 2018年 5月号
【ページ】
59

キーワード解説

 大脳の言語野の損傷により、話すこと、聴いて理解すること、書くこと、読んで理解することが難しくなる疾患。右半身に麻痺のある人に多く、在宅療養している人のうち20%以上が失語症という報告がある。構音障害と異なり、意味理解の障害をともなう。症状としては、単語全体を言い間違えたり単語の一部を違う音に言い間違えるなど、思っていることと違うことを言ってしまう、言いたい言葉が出てこない、まわりくどい言い方になる、前に言った言葉を繰り返してしまうなどが挙げられる。また、筆談も難しいケースが多く、とくに仮名文字の理解や想起が難しい傾向にあるため、文字を提示する場合でも漢字単語のほうが理解につながりやすい。会話の際は、言葉を短く言い換える、大切な言葉は2度、3度と繰り返すなどといった工夫が必要で、質問内容そのものの理解が難しそうな場合は、質問のしかたを変えるほか聞きたいことを文字にして見せることも有効である。