専門情報検索 お試し版

モンテカルロ法

【読み】
もんてかるろほう
【英語】
Monte Carlo method
【書籍】
Quintessence DENTAL Implantology 2018年No.4
【ページ】
152

キーワード解説

 乱数を用いてシミュレーションや数値計算を行う統計学的手法の総称。カジノで有名なモナコ公国の4つの地区の1つである「モンテカルロ」から名付けられた。ランダム法とも呼ばれる。
 この手法の利点は感度分析を行えることである。数の限られたケースについて分析する手法の場合、どの因子がもっとも大きな影響を結果に与えるかを判断することは困難であるが、このモンテカルロ法を用いると、どの因子が結果に最大の影響を与えているかを知ることができる。つまり、現実の現象と結果を集約できない場合でも、現実の結果を推定値として得ることができる。たとえば、インプラントの早期失敗に関連するリスク因子として挙げられた、「喫煙」、「骨質」、「ショートインプラント」、「ワイドインプラント」、「隣在歯」、「歯周病」、「性別」に関してシミュレーションと感度分析を行い、それぞれの推定効果を順位別に割り出すことなどができる。
 モンテカルロ法は、さまざまな不確定パラメータを組み込んだ事前評価が可能であるが、かつては計算負荷が高く、結果を得るまでに多くの時間を要した。しかし、近年の計算機能力の大幅な向上にともなって国内外のプロジェクトにおいて広く利用されるようになってきている。