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ABCDEアプローチ

【読み】
えーびーしーでぃーいーあぷろーち
【英語】
ABCDE approach
【書籍】
一般臨床家、口腔外科医のための口腔外科ハンドマニュアル'18
【ページ】
121

キーワード解説

 生命維持のための生理機能に基づいた診療手順であり、さまざまな部位の外傷を含む、すべての救急患者に対する診療を行う際に準拠すべき手順である。生命は大気中の酸素を体内に取り込み、全身に供給する一連のしくみによって維持されるため、最初に空気を吸い込む気道(airway)の確保を行う。つぎに、肺に吸い込んだ空気から酸素を体内に取り込む呼吸(breathing)、取り込んだ酸素を全身に巡らせるための循環(circulation)、生命を脅かす中枢神経障害(dysfunction of central nervous system)の順で観察ならびにその異常に対する対応(「蘇生」という)を行う。その際に、着衣のままでは観察は困難であり、対応が不十分なものとなるため、着衣を取り除き全身を露出(exposure)する。また、低体温に陥ると生理的な代償機構が破綻して蘇生に対する反応が低下し、生命予後を著しく悪くすることがあるため、生理学的徴候としての体温の評価と保温(environmental control)を行う。