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AGOキャップ(R)

【読み】
あごきゃっぷ
【英語】
AGO cap (R)
【書籍】
一般臨床家、口腔外科医のための口腔外科ハンドマニュアル'18
【ページ】
140、144

キーワード解説

 顎関節脱臼は閉口障害を起こし、会話、意思疎通、経口摂取が困難となるが、高齢者の介護・医療の現場では認知機能の低下や基礎疾患の病態変化と混在して見過ごされることがある。さらに習慣性・陳旧性になると、摂食嚥下障害や誤嚥性肺炎を惹起して生命予後を悪化させる可能性がある。そこで、食事や日常生活に支障が少なく効果的な再脱臼防止を行える装具として愛知学院大学の栗田らが開発したのがAGOキャップ(R)(発売元:株式会社パルメディカル)である。最大の特徴は、顎固定を安定して再現できること、装着中も経口摂取が可能であること、就寝中に脱離しないこと、患者や家族が容易に着脱できることである。いずれも既存の保存療法(包帯、チンキャップなど)では課題となっていた点である。留意点としては、意思疎通が困難な場合や、低栄養や麻痺を有する場合には、皮膚への持続的な圧迫にて潰瘍を生じることがある。専門知識を有する医療従事者の適切な管理下での使用により、外科療法が困難な患者のQOLを改善できる。