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ドーパミン

【読み】
どーぱみん
【英語】
dopamine
【書籍】
nico 2018年 8月号
【ページ】
26

キーワード解説

 ドーパミンとは、生きる意欲を起こし、過去の記憶や経験から学習するといった、生物が生きるうえで必要不可欠な働きをする中枢神経系の神経伝達物質である。快感や多幸感、やる気、学習、記憶、注意、実行機能、運動機能などをつかさどる。ドーパミンは、よく咀嚼することによって、脳の海馬からの分泌が促進されることが明らかになっている。
 また、咀嚼時にドーパミンとともに分泌されるホルモンとして、セロトニンがある。セロトニンは、心のバランスを整える働きのあるホルモンで、ドーパミンとの組み合わせでその効果を発揮する。ドーパミンは、過剰になると快の感情が暴走し抑えが効かなくなるという一面やっかいなホルモンであるが、咀嚼時にはセロトニンの分泌も促されることにより、前向きかつ落ち着きのある健全な状態を生み出しやすい。現在、こうした咀嚼による安定的かつ意欲的な精神状態を維持する効果が注目を浴びている。