キーワード解説：

歯周ポケットがなんらかの原因で閉鎖することにより、歯周組織内に膿が貯留した状態のこと。組織内の圧力が高くなるため、歯肉の違和感・腫脹・圧痛・咬合痛などをともない、進行すると歯の動揺が大きくなる。歯周ポケットが排膿路となっていれば慢性的に無症状のまま経過するが、排膿路が閉鎖されると急性化する。全身的抵抗力が低下している患者や、ブラキシズム・クレンチングのある患者などに発生しやすい。根管内の感染を原因とする膿瘍と類似しているため、エックス線などで検査を行って診断することが必要である。処置としては、歯周ポケットを経由し、または切開して排膿した後、患部を十分に洗浄し、抗生物質や消炎薬・鎮痛薬を投与する。また、以上の処置の後、スケーリング・ルートプレーニングによりプラーク・歯石を取り除くことも、再発を防止するために必要である。