キーワード解説：

根管治療における根管のプレパレーションには「根管拡大」と「根管形成」がある。「根管拡大」とは、ファイルやリーマーなどの切削器具を用いて機械的に、あるいは有機質溶解剤や無機質溶解剤を用いて化学的に根管を広げることを指し、「根管形成」とは、根管充填のために形態を整える操作である。根管のプレパレーションの主役は各種ファイルによる機械的拡大であるが、1990年代半ばより登場したNi-Tiファイルによって劇的な変化がもたらされた。根管のプレパレーションを行う際には、歯根未完成歯か完成歯か、抜髄根管か感染根管か、直線根管か湾曲根管か、根管充填を側方加圧で行うのか、垂直加圧で行うのか、といった要素をまず把握、あるいは決定することが大切である。また、自分の行った治療(根管の拡大・形成・充填)の結果、根尖部でどのような治癒(組織学的ゴール)が起こる可能性があるのかを想定しておくことも重要である。