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水酸化カルシウム

【読み】:すいさんかかるしうむ
【英語】:calcium hydroxide
【書籍】: 治癒の歯内療法 新版(シリーズ MIに基づく歯科臨床vol.02)
【ページ】:190

キーワード解説:

水酸化カルシウムは、水溶液中でカルシウムイオンと水酸基イオンに分離し、強力なアルカリ性(pH12.5)を示す。高いpHにより、細胞膜のタンパク質の変性やDNAの損傷を引き起こすので、Enterococcus faecalisとCandida albicansを除くほとんどの細菌を死滅させることができるが、深部到達性が少ないので、象牙細管内に残存する細菌のすべてを死滅させるだけの殺菌効果は少ないといわれている。しかしながら、現在でも多くの臨床家に第一選択の根管貼薬剤となっている。一方、水酸化カルシウムには、硬組織形成促進能があることが古くから検証されており、断髄後のデンティンブリッジ形成やアペキシフィケーション(根未完成歯の根尖閉鎖術)におけるセメント質形成を促す目的で汎用されている。ただし、長期間根管内に貼薬されると象牙質の強度を低下させるとの研究結果があり、試薬としての水酸化カルシウムを根管に長期間用いることを避ける臨床家もいる。抗菌性、操作性、造影性を改善する目的でいくつかの薬剤を配合してプレミックス型のペーストタイプが市販されている。代表的な製品として、ビタペックス(ネオ製薬工業)、カルシペックスII(日本歯科薬品)などがある。