キーワード解説：

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠時に無呼吸または低呼吸になる病態のことである。呼吸中枢の機能異常による中枢型睡眠時無呼吸症候群（CSAS）と上気道の閉塞による閉塞型睡眠時無呼吸症候群（OSAS）と２つの混合型（Comp SAS）に分けられるが、歯科が治療にかかわるのは主にOSASである。
その症状には、夜間におけるいびき、頻回の中途覚醒、不眠、性機能低下等が、また昼間における日中の眠気、疲労感や倦怠感、記憶障害や認知障害、精神症状や性格変化等が挙げられる。また高血圧症、心血管障害、脳血管障害、糖尿病、肥満等全身疾患との関連も指摘される。
歯科での治療法としては口腔内装置や矯正的治療法としての顎拡大法が挙げられる。また顎拡大法による予防法も試みられている。こうした治療用装置を装着している患者にとって、歯科でのプロフェッショナルケアは不可欠となる。なお、歯科以外では睡眠中持続的に高圧の空気を鼻から送り込んで上気道を広くするCPAP治療等が多く行われている。