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ディファレンシャルフォース

【読み】:でぃふぁれんしゃるふぉーす
【英語】:differential force
【書籍】: 最新のKBテクニック:改良型ベッグ法の実際
─インナービューティを考慮した矯正歯科治療へ─
【ページ】:23

キーワード解説:

弱い持続的な力を作用させると歯根面積の大きな歯が固定歯となり、より歯根面積の小さな歯(前歯群)が移動し、強い力を作用させると歯根面積の小さな歯は固定され、歯根面積の大きな歯(大臼歯)が移動する。病理組織学的には、単位面積当たりの矯正力の大きさが最適矯正力を大きく超えると歯根膜線維に硝子様変性が生じ、歯(たとえば固定大臼歯)は一定期間移動しなくなり、最適な矯正力付近であると、歯根膜線維の圧縮牽引により破骨細胞などが活発に作用し、歯槽骨の吸収添加が行われ、歯(たとえば前歯)はスムーズに移動していくというものである。
理論的にはそうであるが、実際の臨床の場では、矯正力を加えれば前歯も臼歯も移動していく。したがってディファレンシャルフォースは概念的には考えられるが、実際の臨床では移動させたくない部位(たとえば固定大臼歯)に加強的に固定(アンカレッジベンド、パラタルアーチ、ヘッドギア等)を付加しなければならない。