Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

キーワード

編集部が厳選してお届けする歯科関連キーワードの一覧ページです。会員登録されると、キーワード検索機能が無料でご利用いただけます。会員登録はこちら≫≫≫

限局型急速破壊性歯周炎(LAP)

【読み】:げんきょくがたきゅうそくはかいせいししゅうえん
【英語】:localized aggressive periodontitis

キーワード解説:

限局型急速破壊性歯周炎とは、一般には思春期前後に発症する急速破壊性歯周炎の1類型で、「限局型侵襲性歯周炎」とも呼ばれる。原因菌として有力視されているのは、通性嫌気性グラム陰性の短桿菌Aggregatibacter actinomycetemcomitans(A.a)である。感染因子に対する著明な血清抗体反応を示すが、a〜eの5つの血清型分類のうちLAP患者には血清型bが特に多いと考えられている。
少なくとも2本の永久歯(そのうち1本は第一大臼歯)に隣接面のアタッチメントロスがみられ、切歯と第一大臼歯の他に罹患するのは2歯までであるという特徴をもっているが、なぜ切歯と第一大臼歯に限局した病態を示すことが多いのかははっきりとはわかっていない。原因の1つとしては、A.aに対する特異的な抗体反応が考えられる。永久歯で最初に萌出するのは切歯と第一大臼歯であるが、これらの歯が萌出する時期にはまだ人体にA.aに対する抗体の量が十分でないため、切歯と第一大臼歯の周囲組織はたやすく破壊されてしまう。しかし他の歯が萌出する頃には抗体の量は十分に増えているため、切歯と第一大臼歯しか罹患しないという考えが有力とされている。またLAP患者の罹患歯にはセメント質形成不全がみられたことも報告されており、解剖学的な要素も一因として考えられている。