キーワード解説：

2011年8月10日、歯科口腔保健の推進に関する法律（歯科口腔保健法）が、公布・施行された。国会におけるこの法案の提案理由は、「口腔の健康が国民が健康で質の高い生活を営む上で基礎的かつ重要な役割を果たしているとともに、国民の日常生活における歯科疾患の予防に向けた取組が口腔の健康の保持に極めて有効であることに鑑み、国民保健の向上に寄与するため、歯科口腔保健の推進に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、歯科口腔保健の推進に関する施策の基本となる事項を定めること等により、歯科口腔保健の推進に関する施策を総合的に推進する必要がある」というものである。歯科医師法のなかで、「歯科医療及び保健指導を掌ることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保する」ことが責務とされる歯科医師にとって、歯・口腔の健康を維持増進する重要性とそれを図るために必要な基本的施策が法律のなかで明示された意義は大きい。