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偽膜性大腸炎

【読み】
ぎまくせいだいちょうえん
【英語】
pseudomembranous colitis
【書籍】
歯周抗菌療法
【ページ】
53

キーワード解説

偽膜性大腸炎はクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)というグラム陰性偏性嫌気性菌を原因菌として起こる。腸内の常在嫌気性菌としてはバクテロイデスとともにこの菌も有名であるが、病気を引き起こすクロストリジウム属には破傷風菌、ボツリヌス菌、ガス壊疽菌など恐ろしい細菌が名を連ねる。クロストリジウム・ディフィシルは一種のスーパーインフェクションのようなもので、抗菌薬治療によって他の細菌が抑制された結果、勢力を伸ばすことで発病する。とくに関連性の強い抗菌薬としてクリンダマイシンが有名で、近年セファロスポリンによる偽膜性大腸炎がクリンダマイシンと同じくらい起こりやすいといわれている。とくに第3世代くらいの広域セファロスポリンが危ない。偽膜性大腸炎が発病すれば、原因抗菌薬をまず止めて、メトロニダゾールで治療するのが基本である。バンコマイシンの経口投与も選択肢の1つだ。