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胃がん既往患者に対する歯科的対応

【読み】
いがんきおうかんじゃにたいするしかてきたいおう
【英語】
dental support to stomach cancer survivors
【書籍】
歯科衛生士 2012年5月号
【ページ】
15

キーワード解説

胃がん既往患者に対する歯科的対応としては、まず胃の機能が低下した患者の消化を助けるために「よく噛めよく唾液を分泌させること」が可能な口腔づくりをすること(咀嚼能力の維持向上)、つまり、う蝕や歯周病による歯の喪失を予防することが肝要となる。それに加え、胃がん手術後の代表的な後遺症である「ダンピング症候群」「胃酸の逆流」「骨粗鬆症」への対応が求められる。ダンピング症候群では、低血糖状態防止に糖分摂取が必要な患者への正しい糖分のコーディネートや、1日の食事を5~6回に分けて血糖値をコントロールする患者へのう蝕リスクに関するアドバイスが必要になる。胃酸の逆流に対しては酸蝕歯の予防、骨粗鬆症では治療薬であるビスフォスフォネート製剤(BP剤)に関連する顎骨壊死(BRONJ)を生じるリスクがあるため、医科との情報交換をよく行い、歯科治療にあたる必要がある。