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頭頸部がん放射線治療時の顎口腔領域の有害事象

【読み】:とうけいぶがんほうしゃせんちりょうじのがくこうくうりょういきのゆうがいじしょう
【英語】:oral and maxillofacial adverse events with head and neck cancer radiotherapy
【書籍】: 周術期口腔機能管理の基本がわかる本
【ページ】:62,63

キーワード解説:

頭頸部がんに対する放射線治療は、口腔、顎骨、唾液腺が照射野に含まれることがあり、急性の有害事象として重度の口腔・咽頭粘膜炎と口腔乾燥症を生じる。さらに化学療法が併用される場合、抗がん剤による骨髄抑制のために歯性感染症から敗血症などの重症感染症を合併することがある。晩期の有害事象としては、放射線治療による顎骨の血流障害から放射線性顎骨壊死を生じることがある。口腔粘膜炎は口腔が照射野に含まれる場合100%の頻度で発症し、重度では経口摂取不可能となり、QOLが著しく低下するだけでなく、治療を中断せざるをえなくなる場合がある。口腔乾燥もほぼ必発し、長期にわたり唾液分泌量は低下する。放射線性顎骨壊死は、発症すると保存的治療は困難で顎骨切除を余儀なくされることも多い。予防のためには、照射前に感染源になりうる歯は抜歯し、照射後は良好な口腔衛生状態を保ち、う蝕や歯周病は早期治療を心がけることが重要である。