キーワード
キーワード解説:
断続的な顎整形力を発揮して、正中口蓋縫合を離開させる固定式拡大装置で、基本構成は拡大ネジ、維持バンド、補強線あるいはレジンパッドからなる。正中口蓋縫合の離開と上顎歯槽基底部の拡大により、上顎骨には骨格性の拡大が起こり、歯は歯体移動する。さらに上顎歯は歯槽骨内で傾斜移動し、歯槽性の拡大が起こり、上顎歯列弓は拡大する。キログラム単位の力を利用して、拡大は2~3週間で完了する。急速拡大装置には、ハイラックス(Hyrax)タイプとハス(Hass)タイプがある。ハイラックスタイプは拡大ネジが維持バンドに鑞着・固定されている。ハスタイプは拡大ネジが口蓋の左右のレジンパッドで固定されている。ハスタイプでは、顎整形力を歯と口蓋粘膜に分散するので、歯の傾斜移動を抑制しながら、上顎骨を拡大する。