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咽頭通過

【読み】:いんとうつうか
【英語】:passing through the pharynx
【書籍】: QDT Art & Practice 2014年4月号
【ページ】:96

キーワード解説:

摂食・嚥下のメカニズムの中の1段階であり、嚥下反射によって食塊を咽頭から食道に送り込む動作。嚥下を正しく行ううえでもっともポイントとなる動作で、時間的には0.5秒以内に行われる。食塊が咽頭部に送られると軟口蓋は後方の咽頭後壁と接し(鼻咽腔閉鎖)、舌は挙上して口蓋と接し外気との交通を遮断し咽頭内圧を高めて食物を下方に送る。同時に、舌骨が前上方に動いて喉頭を引き上げ(外見的には喉仏が上に上がる)、喉頭蓋が閉じ、食道入口部にある輪状咽頭筋が弛緩し、食物の食道への流入を瞬間的に行う。この嚥下反射は延髄にある嚥下中枢を中心に行われ、延髄やその上位脳に問題が生じると球麻痺、あるいは仮性(偽性)球麻痺と呼ばれ、嚥下反射が起こりにくくなる。嚥下反射がきちんと行われないと咽頭部に食物が残留したり気管に入り込んだりして誤嚥性肺炎を招きやすくなり、患者のQOL、生命までも脅かすことになる。