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低ホスファターゼ症

【読み】:ていほすふぁたーぜしょう
【英語】:hypophosphatasia
【書籍】: ザ・クインテッセンス 2017年 2月号
【ページ】:138

キーワード解説:

 低ホスファターゼ症(HPP)は、組織非特異型アルカリホスファターゼをコードするALPL遺伝子の機能欠損変異によってアルカリホスファターゼ(ALP)酵素の活性が低下することが原因で発症する全身性の遺伝性代謝性疾患である。ALP活性の低下により、無機ピロリン酸(PPi)が分解されず、リン酸を産生してハイドロキシアパタイトが生成できなくなることや、PPiが分解されずに蓄積することによって、骨の石灰化が障害される。
 発症の時期や症状によって、「周産期型(子宮内および出生時に診断)」「乳児型(生後6か月までに発症)」「小児型(生後6か月以上~18歳未満で発症)」「成人型(18歳以上で発症)」「歯限局型(症状が歯のみに見られる)」に分類される。HPPに特徴的な歯科症状としては、セメント質形成不全による乳歯の早期脱落がある。
 治療としては、対症療法が中心で根本的な治療法は確立されていなかったが、最近、ALP酵素補充療法が開発された。