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歯の欠損による一次性障害

【読み】:はのけっそんによるいちじせいしょうがい
【英語】:primary disorder due to loss of teeth
【書籍】: パーシャルデンチャー治療失敗回避のためのポイント47 ―診断・前処置・印象・設計・応急修理と術後管理の問題解決法―
【ページ】:40

キーワード解説:

 歯の欠損を放置すると、歯の喪失直後やごく短い期間に咀嚼障害、発音障害、外観不良、感覚障害などの一次性障害を生じる。とくに第一大臼歯を喪失したのちの咀嚼効率は50%以下に低下するとの報告もある。この一次性障害は生体の適応や補償作用によって徐々に自覚されなくなり放置されることがある。そしてこの状態が継続すると、歯、咬合、歯周組織に及ぶ病的変化が起こる二次性障害となる。二次性障害を起こすと早期接触や咬合位の変化を招くこととなり、顎機能の異常や、場合によっては全身的影響を及ぼす三次性障害を発生させる。その結果、咀嚼筋を主体とした顎機能異常を発症するリスクが高まり、稀ではあるが、歯科的治療では対処できない精神的・全身的な影響を生じることもある。近年、口腔関連QOLと呼ばれる指標が注目され、歯の欠損は、口腔関連QOLを損なう大きな要素であることが明らかにされている。