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外部吸収

【読み】
がいぶきゅうしゅう
【英語】
external root resorption
【書籍】
検証MTA
【ページ】
118

キーワード解説

 外部吸収には、表面吸収・炎症性吸収・置換性吸収などがある。表面吸収は外傷後の一過性の吸収で、多くの場合、完全にあるいは部分的に修復されるため、治療は必要としない。炎症性吸収は、歯根に広範囲の損傷が起きた場合に、根管内の細菌が象牙細管を通じて歯根表面に到達し、そこで炎症が惹起されることで発生する。置換性吸収は、歯根膜の損傷を受けた歯根表面と骨組織が接することで、歯根表面が骨のリモデリングに取り込まれて引き起こされる。
 また、発生部位が特異的な外部吸収として、根尖部でのトランジェントアピカルブレイクダウン(TAB)と、歯頸部の侵襲性吸収がある。TABは非感染性の一過性歯根吸収で、歯根完成後に外傷を受けた場合にみられる。歯頸部の侵襲性吸収は、主に歯列矯正、外傷、歯の漂白が原因で起こるとされている。歯冠方向と根尖方向に吸収が拡がるが、象牙前質が破歯細胞に抵抗する保護層となるため歯髄には達しない。