キーワード
キーワード解説:
最終閉口相とは、下顎が咬頭嵌合する寸前の3mm以内の部分を指す。
咀嚼機能では、開口して食塊を口腔内に入れること(開口相)から始まり、嚥下するときに1つのサイクルを終える。このとき、作業側上に食塊が残り、それを挙上筋による最後の加重によって咬頭嵌合する局面が最終閉口相にあたる。その際、性状の硬い食品を食すと、下顎のたわみや歯の圧下などの生体バイオニクスによって、しばしば非作業側で最初の歯の接触が起こる。平衡側の下顎頭は関節窩から外れた状態にある。咬合再構成を行う際には、これらのことを考慮し、非作業側に十分なクリアランスを付与しなければならないため、もっとも注目するべき局面だといえる。