ペニシリンアレルギー
- 【読み】
- ぺにしりんあれるぎー
- 【英語】
- penicillin allergy
- 【書籍】
- Quintessence DENTAL Implantology 2019年 No.2
- 【ページ】
- 126
キーワード解説
ペニシリンは世界初の抗生物質で、抗菌剤の分類上ではβ-ラクタム系抗生物質に分類されるが、このβ-ラクタム系はもっともアレルゲン性が高い薬剤群と言われている。とくにペニシリン系は使用患者全体の15.6%で皮疹などが発現したとの報告もあって、その頻度は高いとされており、米国歯科医師会と米国心臓協会はペニシリンアレルギー患者に対する抗生物質の選択としてクリンダマイシンやアジスロマイシンを推奨している。
一方、クリンダマイシンがインプラントのオッセオインテグレーションに悪影響を与える可能性が報告されており、ペニシリンアレルギー患者へのインプラント治療は細心の注意を払う必要がある。本邦の超高齢社会において複数の慢性疾患に罹患する高齢者が増えている現状を考慮すると、今後は多剤併用がインプラント治療、ひいては歯科治療に大きな影響を与える可能性がある。