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デュアルインサイザルプランニング法(DIP法)

【読み】:でゅあるいんさいざるぷらんにんぐほう
【英語】:dual incisal planning method
【書籍】: ザ・クインテッセンス 2019年 7月号
【ページ】:70

キーワード解説:

 矯正歯科診断においては、Tweed分析など保定後の安定にもっとも重要な影響を及ぼす下顎前歯や固定源確保から大臼歯等を基準に治療計画を立案することが多い。一方、補綴治療においては、審美的観点から上顎前歯インサイザルエッジポジションを最初に決定することを原則としている。しかし、包括的矯正治療においては、矯正歯科学と補綴歯科学の診断を融合させる必要がある。そこで、側貌セファロ分析を用い上下顎2つのインサイザルポジションを考慮した方法である“デュアルインサイザルプランニング法(DIP法)”が綿引淳一によって提唱された。
 それらの決定要件は、1)審美的要件、2)骨格分析、3)切歯管の位置、4)舌・気道への影響、5)O-PRO法によるボーンハウジングおよび歯周組織再生術の検討、などの要件を包括的に診断して決定される。また、必要に応じて第一大臼歯の三次元的な位置に関しても設定を追加する。本法を用いることで、術前のセットアップモデルを製作する際の基準を明確化することができるだけでなく、治療中にセファログラムを撮影することで治療計画の達成状況の確認も容易となる。DIP法は、矯正治療だけに留まらず総義歯治療まですべてのフルマウス治療に応用が可能である。
(デュアルインサイザルポジション法から、2022年7月21日改訂)