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象牙質形成不全症

【読み】:ぞうげしつけいせいふぜんしょう
【英語】:dentinogenesis imperfecta
【書籍】: 子どもの口と顎の異常・病変 歯と顎骨 編
【ページ】:17

キーワード解説:

 わが国で認められる象牙質形成不全症は、「Shields Ⅰ型」と「Shields Ⅱ型」の2つの分類型が存在する。「Shields Ⅰ型」は、「骨形成不全症」(Ⅰ〜Ⅳ型)患者の口腔症状として現れるが、すべての患者に認められるわけではない。「Shields Ⅱ型」は、全身的な症状をともなわない、歯のみに発症する疾患である。
 象牙質形成不全症Shields Ⅰ型・Ⅱ型の症状は、ほぼ同じで、乳歯も永久歯も罹患する。病的象牙質からのエナメル質の剝離と、著しい歯冠の咬耗が認められる。歯根は細く、短い。歯髄腔が早期に狭窄し、閉鎖に至るために知覚過敏や露髄は認めない。歯はオパール様の透明感をもち、琥珀色を呈する。Shields Ⅰ型は、ほとんどの場合に骨形成不全症が判明しているので、診断は容易である。Shields Ⅱ型は、特徴的な歯の症状の診察と家族歴の聴取が診断の鍵となる。
 患者は歯列咬合の成長が完了したのちに本格的な修復処置が必要となることが多い。したがって、それまでは歯列・咬合の回復と安定に努め、将来の治療までのつなぎにあたる暫間治療を行う。そのために、咬耗がとくに激しい乳臼歯は、乳歯用既製金属冠で全部修復して咬合高径の維持に努める。また、永久歯に対しても咬耗が激しい場合は、臼歯部に既製金属冠、前歯部には審美性を考慮して透明なクラウンフォームを用いたコンポジットレジン冠を用いて暫間的な全部被覆を行う。