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キーワード解説:
糸状乳頭は舌乳頭の一種。舌乳頭は、その形状により糸状乳頭、茸状乳頭、有郭乳頭、葉状乳頭の4種に分けられるが、舌の背面全域にもっとも多く存在するのが糸状乳頭である。舌をザラザラにして食物をなめとりやすくし、舌の感覚を鋭敏にする働きがある。
糸状乳頭は、表層の上皮が角化して白く見えるため、舌に堆積する舌苔と混同されやすい。舌苔は、細菌、口腔内で剥がれ落ちた粘膜細胞(老廃物)、食渣のかたまりで、誤嚥性肺炎や口臭、味覚障害の原因となるため、舌清掃により除去することが望ましい。
ただし、白い糸状乳頭を舌苔と誤認して清掃を行うと、健康な舌粘膜を傷つけてしまいかねないため、舌清掃を患者に指導する際には、舌苔と糸状乳頭の違いについて説明し、過剰な舌清掃を行わないよう注意を促す必要がある。