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口腔粘膜蛍光観察機器

【読み】
こうくうねんまくけいこうかんさつきき
【英語】
optical instrument
【書籍】
口腔外科 YEARBOOK 一般臨床家、口腔外科医のための口腔外科ハンドマニュアル’20
【ページ】
17

キーワード解説

 日本では2015年に医療機器クラスⅠに承認され、口腔粘膜の観察機器として用いられるようになった。その後多くの成果をふまえ、2019年4月にクラスⅡの承認を取得し、観察から検査機器として有効性が認められている。原理は425nm近傍の青色を励起光として口腔粘膜に照射し、組織内の自家蛍光を惹起させ輝度変動を視覚的に測定する。正常であれば緑色に蛍光発色し、前がん病変(潜在的悪性疾患)と扁平上皮癌ではその分解と代謝によって含有量が減少し、蛍光の消失として描出される。一方、白板症のように角化亢進が顕著な病変では角化層のケラチンの影響により蛍光が強化した状態で観察される。生体為害性がなく非侵襲的に繰り返し検査ができる。また、経時的に観察記録を残すことで潜在的悪性能を予測することもできる。ただし、本機器はあくまでも補助ツールで最終診断ではなく、視診と触診、および病理組織学的な診断を行う必要がある。