キーワード
キーワード解説:
口腔内の痛みは、さまざまな原因でさまざまな部位に生じる。このうち歯髄の痛みは一般に定位が悪い。すなわち、歯髄の痛みを感じている患者自身が、どの歯が痛みを起こしているのかを正しく示すことができない。その結果、実際に歯髄の痛みを起こしている歯とは異なった歯を指摘することがよくある。この状態を歯痛錯誤という。とくに大臼歯の急性化膿性歯髄炎のような激しい歯髄の痛みの場合は、隣接歯だけでなく、同側上下に関しても歯痛錯誤を生じることがあるので、注意が必要である。なお、上下の場合の鑑別診断には麻酔診が確実である。